みなさんはスロークッカーという調理器具をご存知でしょうか。
「魔法の鍋」と形容するにふさわしく,材料を投げ込んで放置しておくだけで,美味しい煮込み料理が完成します。
特に火加減などを気にすることなく,外出中も寝ている間であっても長時間煮込むことができ,大抵の料理は失敗知らず・・・どころではなく,驚くほど美味しくなる現代の秘密道具です。
今回は僕も愛用しているスロークッカーについての基礎知識と,実際の使い勝手について紹介してみたいと思います。
スロークッカーとは
アメリカ(北米)の家庭には当たり前のように置いてあるスロークッカーですが,簡単に言えば「電気式の煮込み鍋」のことです。
特徴的なのは2重構造で,
電気ヒーターを内蔵した本体+陶器製の鍋
で構成されており,温度を一定に保った状態で長時間調理できます。
煮込み料理というのは基本,長く煮込めば煮込むほどに美味しくなるものですが,ここでガスコンロを使って調理するようでは,吹きこぼれや火の立ち消えを気にする必要があったり,強く煮込みすぎて具材が煮崩れしてしまったりと面倒です。
ラーメン屋の仕込みじゃないのですから,何時間も鍋を見守るというのはさすがに身も心も持たないでしょう。
しかしスロークッカーであれば,調理はすべて機械まかせでOK。
かき混ぜたり火加減を調節するなどの調整は一切要りません。
上の写真を見るとわかりますが,ボタンが2つとつまみが1つあるだけですよね。
このことが複雑な設定が不要なことを物語っています。
調理に必要な手順と言えば,
- 材料を鍋に放り込む
- 時間と強弱を決めてボタンを押す
たったこれだけです。
あまりに簡単なので,効率化を追い求めるアメリカ人に流行ったと分析されています。
良いものですから日本でも流行るのは時間の問題で,最近は通販サイトで「スロークッカー」と検索すると様々な機種が引っかかってくるようになりました(もっと昔に爆発的に流行ったとも聞きますが,僕はちょっとその時代のことはわかりません)。
それでも,10年くらい前には2機種くらいからしか選べなかったわけですから,これは大きな変化です。
値段もバカ高いものはなく機能はそこまで変わらないので,基本は見た目で選べばよいと思いますが,容量的には,
- 1~2人用→1.5Lくらい
- 4人用→2.5Lくらい
の鍋サイズを選ぶのが一般的でしょう。
見た目以外の違いとして,内鍋を直火にかけられるもの(僕はほとんど火にかけません)であったり,タイマーや保温機能付きのもの(保温は無駄にあったまるのでマイナスの場合もあります),レシピブックなどがついているものもありました。
料理本などではツインバードのスロークッカーが表紙になっているものが多いでしょうか。
ホワイトカラーは見た目的にも清潔に見えますね。
その他に「電気圧力鍋」や「マルチクッカー」,さらには「炊飯ポット」と呼ばれる調理器具においても,スロークッカー的な機能が付いたものも出ているようです。
消費電力は私の持っている機種だと,強が210W,弱が120W,保温が90Wとなっています。
27.5円/kWtかかるとして電気代を計算すると,例えば弱で10時間煮込んだ場合,120W×10時間÷1,000×27.5円=33円となります。
もう一つ,強で2時間ですと,210W×2時間÷1,000×27.5円=約12円です。
スロークッカーの使い方
ちょうどラーメンのチャーシューを作ろうと思っていたので,それをもとにスロークッカーの使い方を説明することにしましょう!
材料を用意する
まずは材料を用意します。
チャーシューなので,適当なブロック肉(肩ロースや豚バラ)をメインに,香味野菜として長ネギの青いところ(なくてもいいですが)とニンニク,ショウガを買ってきました。
肉はフォークで穴を空けて塩コショウを振れば,味が中まで浸透します。
そのまま内鍋に投入する前にフライパンで焼き色を是非付けるようにしてください。
このひと手間が美味しさを劇的に変えてくれるのです(今回は効率よりも味を優先しています)↓↓
フライパンから上げた状態ですが,もうすでに美味しそうですね(笑)
材料を鍋に入れる
これにみりんと調理酒を50cc,しょうゆ100ccと砂糖は適当に80gくらい加えますが,隠し味にウェイパー(あればオイスターソース)を大さじ2つ分くらい足すようにしています。
これに残りの野菜をすべて投入したら準備完了です。
本体に鍋をセットしたらアク取りシートを上に乗っけます。
スロークッカーではあく取りシートを使うことが多いので,スーパーで買っておくようにしましょう。
調理スタート
ふたをしてコンセントを入れたら,強さを「強」にして2時間煮て完了となります(が,その後1日置いておくとさらに味が染みて美味しくなるように感じます)。
どう食べるかによって調理時間は変えてもよいのですが,ラーメンに使うチャーシューは角煮的にはせず,さっぱりと食べられるようにした方がいいです。
また,残った漬け汁は味付け卵に使うようにしています(その場合1日後に完成。すぐ食べるなら卵も一緒に煮込みます)。
試行錯誤の末のベストが今のところ上記レシピですが,ショウガが本当に良い風味を肉に付与してくれるので,是非試してみてくださいね!
このチャーシューにぴったりのラーメンはこちら↓↓
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使用上の注意
この章では,スロークッカーを使う上での注意点をいくつか挙げておきます。
- 電気ヒーターを内蔵した本体は水洗い禁止
- 直火対応でない内鍋は火にかけない(食洗機もNG)
- 調理中は内鍋,本体ともに熱いので触らないこと
- 壁などに近づけない
このうち2つ目は,実際に妹が初代スロークッカーを葬り去ってしまった際にやってしまったことです。
「割れるなんて思わなかった」というのが彼女の言い訳でしたが,それもあって2号機は一応直火対応のものにしてあります(直火にかけると調理時間を短縮できるメニューも存在します)。
また,3つ目が意外な盲点で,注意不足で触ってしまうことも。
いくら沸騰しないとはいっても,調理中はボコボコ言いますから,本体もそれはそれは熱くなりますよね。
用心のこともあって,スロークッカーの周り30cmくらいの範囲には燃えるものを置かないよう心がけていますが,大体注意事項と呼べるのはこのくらいです。
本当は鍋も水に長時間浸さずに洗うらしいのですが,面倒くささが勝ってしまい守れていません(臭いが残ったりカビの原因になるとされるので次回使う際に一度軽くゆすぐようにはしています)。
とはいえ自動で電源も切れるので,基本的には安心して使用できますよ。
まとめ
以上,スロークッカーの基礎知識と使い方についてまとめてきましたがいかがだったでしょうか。
スロークッカーは煮込みを最も得意としますので,アメリカ人になったつもりで「リンゴのポットロースト」を作ってみるもよし,「ロールキャベツ」は驚くほどキャベツが柔らかくなって喜ばれますよ(トマト缶を使う代わりに「野菜一日これ一本」という野菜ジュースを使うのが最近のマイブーム)!
ですがそれ以外にも,蒸したり焼いたりすることもできます。
焼くといっても電気の熱で焼き上げるので,ある程度の時間が経ったら内鍋を180度回転させて焼き色をまんべんなく付ける工夫をしたりもしますが,「スペインオムレツ」は簡単に作れるくせに,見た目にも可愛らしくケチャップ好きの人に出したら鉄板です。
ピーマンや玉ねぎを普段食べてくれない子どもでも,見た目が安心感を与えるのでしょうか。
姪が子どもを連れてきたときに出すと,それはよく食べてくれます。
安いお肉もスロークッカーにかかれば,もれなく「美味しい!」という感想を引き出してくれますし,逆に良い肉を使うのがもったいないくらいです。
是非色々なメニューに挑戦して,自分だけの鉄板メニューを見つけてみてはいかがでしょうか。