今回ですが,佐賀県有田町が生んだ「究極のラーメン鉢」を使ってみましょう。
ラーメンの器と言えば保温性に優れるような機能重視のものであったり,見た目でテンションが上がる印象的なものが売られていますが,優れた器はどちらも備えているもので,こちらも有田焼ならではの美しさとラーメンのおいしさを楽しめる仕様です。
記事の内容としては,まずは特徴についてまとめ,続けて実際に器を使ってラーメンを食べた感想を述べてみようと思います。
究極のラーメン鉢とは
「究極のラーメン鉢」が生まれたきっかけは,テレビ企画で「有田ならではのプロジェクトを!」といった要望があったからだったそうですが,当時,ラーメン鉢という商品は市場に存在しませんでした。
そばやうどん用の丼は多かったようですが,質感の高いラーメン鉢は2004年まで存在しなかったというのは驚きです。
企画を受けて,14人の有田焼の職人たちが西有田町にあるラーメン屋に試作品を持ち込みましたが,早速立ちはだかった壁は「ラーメンをたっぷり盛れない。」というものでした。
結局,その中から2種類だけが選抜されたのですが,次に大阪池田のカップヌードルミュージアムや横浜のラーメン博物館で使用感のチェックを行ってもらったところ,今度は重かったり大きかったり,持って熱いと感じてしまったり,スープ本来のおいしさが損なわれてしまうなどと酷評されてしまったそうです。
しかしその反省を受け,「家庭で食べるラーメンのスタンダードであるチキンラーメンがおいしく食べられ,小ぶりで使い勝手の良いラーメン鉢にする」ことを目標にすべてを一から考え直し,結果的に誕生したのがこの「究極のラーメン鉢」となります。
そしてこれが2004年の話です。
なお,2020年現在,バリエーションとして,釉薬や絵付けの技法を変えたものが実に130種類あるとも言われています。
その1年後,今度は鉢に合う「究極のレンゲ」も完成することになりますが,こちらは手に馴染む形と大きさであったり,口当たりやすくえるスープの量などを考慮しつつも,それでいて持ち手がへたらないようにと作られました。
販売するのは「まるぶん」です。
究極のラーメン鉢の特徴について
続いて鉢とレンゲ,それぞれの特徴について詳しくまとめてみましょう!
究極のラーメン鉢
特徴はいくつもありますが,まずは口径が180mmと控えめであるところです。
口が広くないことのメリットですが,空気と触れる面が小さくなるため冷めにくく,もちろん収納の際にも場所を取りません。
続けて縁の部分ですが,薄く仕上げられている為,口当たりが良くなります。
底の面は110mmで,これは麺がゆったりと納まるサイズとされ,かつ高台(一番下の部分)の径は85mmとなっていて,こちらは鉢を置いた時の安定性に貢献するそうです。
テーブルに置いてもガタつくことはありませんし,滑らかにやすられていました。
また,持ちやすさについては,かなりの工夫が見られ,鉢の腰から高台にかけてくびれているので,そこに指がかかります。
もちろん高台自体に高さがあるので,底に手を置いても熱くありません。
そしてコンパクトならではのメリットがあり,全高が80mmに設定されていたり重さが500g前後に抑えられているため,片手で持つのに向いています。
究極のレンゲ
レンゲはまさに究極のラーメン鉢専用とあって,ピッタリのサイズ感です。
全長は160mm弱かつ重さは50g弱となっていて,ラーメン鉢とお揃いの絵柄のものが用意されているので統一感があります。
裏側に突起が付いているのも特徴的で鉢の縁に引っかけられますが,引っかけなくても鉢に沈まないようなサイズに仕上げられているところはさすがです。
口当たりが良いのはもちろん,スープを口に流し込む際の流れについても考慮したとのこと。
レンゲ本体に付けられたカーブが,持つ手によく馴染みます。
今回私が購入したのは「白磁プラチナ巻」と「結晶金巻」の2つですが,前者は白磁の形とプラチナの色を楽しめますし,後者は伝統の金彩を現代風にアレンジするとともに,前者と揃えると色のコントラストが楽しめるところが魅力です↓↓
どちらとも,ラーメン以外の料理にも用いることができそうです。
なお取り扱いについてですが,有田焼ですから磁器として扱い,直火やオーブンで使えない他,今回注文したような,金や銀の彩を施した鉢であれば電子レンジや漂白剤が使えない点にご注意ください。
実際にラーメンを食べてみた
先述のように,この究極のラーメン鉢はチキンラーメンを基本として想定しているものの,大盛で有名な二郎系ラーメンであっても,上の写真のように一食分がしっかり入ります。
しかしラーメンが入ると絵になるもので,レンゲもきれいに決まりました。
見た目も合わせて食事のおいしさは決まるということで,この見た目もしっかり味に影響しています。
重さも扱いやすく,鉢を持った時に「熱っ!」とはなりません。
レンゲもきれいにスープをすくえますし,口当たりと相まって,飲み心地はまろやかです↓↓
食べ終わってからの見た目もきれいですし,洗い物をするときにも楽さを感じました。
不思議と乾きやすい気がするのは有田焼の特性なのでしょうか。
まとめ
以上,有田が生んだ「究極のラーメン鉢」と「究極のレンゲ」の特徴と使い勝手についてまとめてきましたがいかがだったでしょうか。
コンパクトゆえに取り扱いしやすいのはもちろん,だからといって量が入らないようなことは決してありません。
何より,見た目が華やかだったりするので,食事の風景自体が絵になって,おいしさが増す効果があります(私個人の感想ですが)。
カラーとしては,今回のような銀と金の他,赤と白の鉢を揃えたりと,対照的なものを持っておくと並べたときにまた別の楽しみ方ができるでしょう。
もちろん,シンプルな白磁だけのものも人気で,そちらは幅広い料理に使えると思います。
是非,レンゲと一緒にひとセット揃えてみてください↓↓
私はふるさと納税をして,その返礼品としていただきました。