今回はウェーロック社の「クリップイット」という商品を紹介します。
名前からイメージできるかもしれませんが,メインとなる用途は開けた食品の袋を閉じる際に使うというものです。
「わざわざクリップイットを使わずとも輪ゴムやセロハンテープで代用できる!」などと最初は考えていた私ですが,実際に使ってみると大変に便利でした。
評判になるだけの理由はありますね。
私的には気兼ねせずに使える性能を備えていたことが一番大きかったです。
詳しくはこれからみていくことにしましょう!
クリップイットとは
クリップイットの生みの親はウェーロックという会社で,1983年にスウェーデンで設立されたブランドです。
世の中を見渡せば,これに似たような見た目のものは他にもたくさん出ているでしょう。
ですが,クリップイットの品質は中でもひときわ優れています。
その理由として圧倒的なのは素材の良さであり,クリップイットの材質は「6,6-ナイロン」です。
高校時代に化学を学んだ方であればどこかで聞いた名前だと思いますが,これは絹や羊毛の構造に似たポリアミド系の合成繊維で,製造元はこれまた有名なデュポン社となります。
ストッキングにナイロンが使われていることをご存知の方はいらっしゃるでしょうか。
そもそも「ナイロン」という呼び名自体がデュポン社の商標でもありました。
発売当初は「水と空気と石炭から作られ,クモの糸よりも細く,鋼よりも丈夫な夢の繊維!」などというキャッチコピーが付けられ,実際にナイロンは,外から強い圧力をかけることで糸のような形で取り出されてきます。
ところで,普通のクリップがどんな素材でできているのかと言うと,大体はポリプロピレン製のわけです。
こちらは先の合成繊維に対して合成樹脂と呼ばれており,加工する過程において外部から力を加えることなく完成するところが大きく違います。
同じ炭素原子からできているシャー芯とダイヤモンドほどの差があるとまではさすがに言いませんが,クリップイットは本物志向の方におすすめです。
とはいえ,見た目には違いがないように思えても値段は圧倒的にクリップイットの方が高くつき,例えばIKEAのクリップ(ベヴァーラなど)は30個で250円くらいで買えてしまうのに対し,前者は普通サイズのものでも6個で800円とかします。
ですが,実際に使い続けると,ポリプロピレンで作られたいわゆるプラスチック製のクリップは簡単に劣化してしまって,肝心の保存機能を維持できなくなってしまうというわけです。
例えば以下は昔使っていたプラスチック製のものと比較してみたものですが,上段のクリップイットに対し,下段にある2種類のクリップはひしゃげてしまって隙間ができています↓↓
上のような状態で使うくらいなら輪ゴムの方がましで,普通にビニールを縛るだけでも十分でしょう。
例えば右の100均のクリップを使うと,見た目はなんとなくちゃんと保存している感じはしているのですが,食べかけのポテトチップスの袋から中の臭いがしてきますし,時間が経てば湿気ているか乾燥してしまうものです。
もちろん,クリップイットに出会ってからはそういった生活とおさらばしていますが,次章で実際の使用例をいくつか紹介してみましょう!
クリップイットの使い方
食品を保存する
以前紹介したスナック菓子の便利グッズを使いながらポテチをちょっと食べてはクリップイットで封をしていますが,1週間前に食べ始めたピザポテトもしっとりした感じのまま保存できています。
とはいえ,より便利だと感じるのは砂糖や塩といった調味料の他,片栗粉や小麦粉のようなものにクリップイットを使ったときです。
さすがに粉レベルになってしまうと,食品用のポリ袋に移し替えて余裕をもって封をする方がよいかもしれませんが,市販の袋のまま挟んでしまっても,さほど気にならないレベルには密封できています。
開けた口の部分を指でパチンとはじいてから封をするのが簡単ですが,より吹き出しにくくしたければ,空気を十分に抜いてから留める方がよいでしょう。
なお,食パンやシリアルの袋の扱いは得意中の得意です。
クリップイットで封をすれば,袋を押しても空気はほとんど出ません(密封ではありません)。
もしお手元にプラスチック製のクリップや輪ゴムがあれば,食パンの袋を普段通り封をしてから押してみてください。
中の空気はすぐにプシューと抜けていってしまい,しっかり閉じられていないことが確認できるはずです。
ちなみに袋を縛ればそのようなことにはならないですが,今度は開ける時に大変面倒くさくなります。
もちろんクリップイットなら,端のロック部分を解除するだけですぐに取れて楽です。
なお,−20℃の冷凍庫にもOKなので,開けた茶葉が劣化しないように封をして冷凍庫に保管しています。
耐熱としては140℃までいけるので,挟んだポリ袋ごと湯煎も可能です。
また,紙パックに入った飲み物はいったん開けてしまうと横に置けばこぼれがちになったり,わずかに開いた口を通して外気が中に入ってしまうことが気になりますが,本商品の扱いに慣れてくると,紙パックの口の部分をうまく留めることで,冷蔵庫の中で横置きしたり密封度を高めては劣化を遅らせたりもできます↓↓
この状態で逆さにしたり,クリップだけを持って取り出しても外れません。
サイズの選び方
クリップイットのサイズ選びですが,やはり適材適所が理想です。
市場で確認できたものとして,50mm,70mm,110mm,150mm,220mm,320mmのバリエーションがありました。
もちろん,全部を揃える必要はありません。
私のおすすめとしては,基本的に大は小を兼ねるということで「150mm」のものが活躍する食品が多いように感じています。
先の調味料や牛乳に使用したのはそのサイズです。
これをもし,小さい「70mm」などで留めようと思えば2つ折りすることになるのでしょうが,ビニール以上の厚みがあるものを重ねた状態で,しかもそれを小さいクリップで挟むとなると,これはかなりの力が必要になるのでストレスだと感じます↓↓
これはしっかり挟めるがゆえの弊害だとも言えるでしょう(ただし,220mm以上のものは厚手の袋に対応し,レールが低めに作られています)。
その分挟む力は強力で,数キロのお米の袋ですら,クリップイットのところにだけ触れながら持ち上げられるほどです。
ただし,意外な使い方ができるという点では「70mm」の方に軍配が上がり,私はこれら2種類を中心に揃えています。
例えば,クリップイットの角のところに4ヶ所小さな穴が開けられていますが,ここに金属のリングと通してみてください。
あとは引っかける所さえ見つかれば,色々な物を吊るすことができてしまいます(実際,我が家でもパンと布巾は吊るしています)↓↓
ちなみに歯磨き粉やマヨネーズなど,容器の横の長さに対して大きめのクリップイットものをあえて選ぶことで,絞り出すときにも使えるようです(ギリギリの長さだと大きな力が必要になるので難しいです)。
まとめ
以上,クリップイットの特徴と使い方を通して,食品の保存について考えてきましたがいかがだったでしょうか。
今回紹介したもの以外に,色も豊富で買い足しやすいところもクリップイットの魅力です。
調べると,グッドデザイン賞も受賞していましたが,そんなクリップが他にあるでしょうか。
記事の中盤で少し話題に上げたポリ袋とクリップイットさえあれば,調理の途中で生じた食材の残りはほとんど保存できるようになります。
私は食品に除菌用のアルコールをかけて保存するようにしていますが,ラップだけのときより確実に新鮮味を保持できているように感じます。
対応できる温度も広く,何よりデュポン社のナイロンを素材に使用したクリップですから,使用していて如実にへたることもありません。
ひしゃげても熱湯に入れると元に戻せるので,湯煎は一石二鳥です。
そのようなわけで,長くストレスフリーで使えるところが気に入っています。
興味を持たれた方はまず150mmのものから始めてみてください↓↓
最後までお読みいただきありがとうございました。